代表・教授(兼)北村 喜文

研究活動

ドローン(小型無人機) には、次世代の基盤の1つとして、大きな期待が寄せられている。AIによる自動操縦も研究されているが、狭小過酷な環境や絶えず状況が変化するダイナミックな環境では限界もある。人によるマニュアルの操縦には十分な技能を必要とし、また運用には電波法や航空法などの法的規制もある。
そこで本プロジェクトでは、仙台市が国家戦略特区の指定を受けたドローン特区であることも活用して、産官学共同体制で、ドローンを活用する新しいインタラクティブコンテンツの基盤技術を確立し、ドローン技術発展の下支えをするとともに、それを活用して社会的ニーズに応える新サービスを生み出すための研究を推進する。

研究テーマ

    (1)パイロット操縦用ユーザインタフェースと映像共有・配信技術の開発

    ドローンを正確・安全に操縦するためには、ドローン搭載カメラで捉えた(第一人称視点)映像と、そのドローンを他の視点から客観的に眺める第三人称視点の両方を、的確に、直感的な形で連携させてパイロットに提示する必要がある。この組み合わせ映像は、教官を交えたドローン操縦講習やドローンを複数人で共有して行う協調作業にも有効活用できる。
    また、パイロットの操縦技能向上や機体の性能向上を図る目的で開催されるドローンレースは最近大きな盛り上がりを見せているが、その場にいる観客や、そのテレビ等の中継を見ている視聴者に、わかりやすく、スピード感とスリルある映像を見せるのは必須であるが、そのためにも、第一人称視点映像と第三人称視点の両方を的確に連携させながら提示する必要がある。
    そこで本研究テーマでは、このような映像を直感的にリアルタイムに作成し、操縦のためのユーザインタフェース、複数人共有技術、さらに映像配信に利用する技術を確立して、エンタテインメント応用など新しいサービスへの道を切り開く。

     

    (2)カラスとコミュニケーションするカラスドローンの開発

    カラスによる農作物被害、糞害等の生活被害や配電トラブルなどの被害は近年ますます深刻化しつつあり、それらへの対策は急務である。しかし決定打がないのが現状である。その最大の理由は、他の動物には撃退効果がある「脅し」をすぐに見破ってしまうカラスの賢さである。
    そこで本研究テーマでは、カラスの発達した音声コミュニケーション能力を逆手に取って活用するカラス音声による行動制御システムを開発する。それは一方的にカラス音声を再生するのではなく、カラスのコミュニケーションの文脈に沿ってカラスを騙し、その行動をコントロールするために、カラスにとってのリアルさである見た目の姿や動き、さらに文脈に沿った音声コミュニケーションを追求する。見た目のリアルさを追求して可動するカラス剥製ロボットや剥製ドローンの開発に加え、コミュニケーションのリアルさを追求するために人工知能技術などを応用して、対話性を有するカラス音声再生システムを開発し、ロボットに搭載して効果的な行動制御とカラスとの対話方法の確立を目指している。

図1 第一人称視点映像と第三人称視点の両方を的確に連携させて提示するパイロット操縦用ユーザインタフェースの概念
図2 カラスとコミュニケーションするカラスドローンの概念