研究室訪問

ブレインウェア研究開発施設

新概念VLSIシステム(羽生・夏井)研究室

新概念VLSIシステム研究分野 教授 羽生 貴弘
新概念VLSIシステム研究分野 准教授 夏井 雅典

http://www.ngc.riec.tohoku.ac.jp/

0.13μm CMOS 技術

0.13μm CMOS 技術

図3 非同期NoC ルータチップ:非同期式制御及び非同期式回路用パケット構造の活用により、遅延ばらつき変動に影響されない高信頼かつ高速・コンパクトなNoC を実現。(N. Onizawa, et al., IEEE Trans. Comput. 2014)

 また、非同期式制御に基づくVLSI設計方式とその回路実現にも取り組んでいます。本研究室では、多値符号表現および電流モード回路方式を活用することで、データ表現の複雑さやそれに伴う回路面積および配線数の増大といった非同期制御方式の問題点を解決し、その利点を十分に発揮できる回路技術の基礎を築きつつあります。また、NoCやLDPCデコーダといった具体的応用を通して提案方式の有効性を示してきており、それらの成果は回路・システム技術に関する国際ジャーナルであるIEEE TCAS-Iに採択されるなど、その高いインパクトが認められています(図3)。

 電子機器の「頭脳」として機能するVLSIチップ、およびそれを応用したVLSIシステムは、現代社会のあらゆる産業製品や社会基盤の質を決定する重要な技術です。本研究室では、単なる処理能力の向上だけでなく、人間の脳が行っている知的活動をも代替するような高機能・多機能なVLSIの実現を目指して、デバイス技術・回路技術・アーキテクチャ技術の融合による新しい設計パラダイムの構築に取り組みつつ、国内外の研究者とも連携を取りながら、多方面にわたる研究を展開していきます。

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