実世界コンピューティング研究分野 教授 | 石黒 章夫 |
実世界数理モデリング研究分野 准教授 | 加納 剛史 |
図1:四脚動物が示すさまざまな現象の再現に世界で初めて成功した四脚ロボット
イヌやウマなどの四脚動物は、低速では脚を一本ずつ動かす「ウォーク」、中速では対角の脚が同期する「トロット」、高速では前脚どうしや後脚どうしがほぼ同期する「ギャロップ」など、速度に応じて自発的に足並みを変化させます。この現象は、ちょうど自動車のギアチェンジのように、エネルギー効率を高めるためにも寄与していると考えられています。しかしながら、このような足並みの発現メカニズムはこれまでまったくわかっていませんでした。
当研究室では、これまで謎であったこの現象の発現メカニズムに対して最近一つの解答を与えることに成功しました。それは、きわめてシンプルなアルゴリズムで記述できる分散制御則であり、実際に四脚ロボット(図1)に実装してみたところ、四脚動物と同様に自発的な足並みの変化を再現することに世界で初めて成功しました。この成果は、生物学のみならず、脚式ロボットの基盤技術として応用できることが期待されます。この成果は英国の科学誌Scientific Reports に掲載されました。