研究室訪問

人間情報システム研究部門

先端音情報システム(鈴木・坂本)研究室

先端音情報システム研究分野 教授 鈴木 陽一
聴覚・複合感覚情報システム研究分野 准教授 坂本 修一

http://www.ais.riec.tohoku.ac.jp/index-j.html

3次元音空間認識と制御・再現手法研究

図3 252チャネル球状マイクロフォンアレイを用いた3次元音空間収音・再生技術SENZI

図3 252チャネル球状マイクロフォンアレイを用いた3次元音空間収音・再生技術SENZI

 人間の音空間認識メカニズムの解明は、本研究室発足以来の主要な研究テーマです。既に様々な研究により、頭部の形状に基づく頭部伝達関数が特に音像定位に大きな役割を果たすことが知られてきました。頭部伝達関数を利用することで、ヘッドフォンを用いながら、あたかもコンサートホールにいるかのような音空間情報を聴取者に聴かせることができます。本研究室では、水平方向、垂直(仰角)方向の音像定位のメカニズムを、頭部伝達関数に基づき詳細に検討しています。特に仰角方向に関しては、頭部伝達関数のピークやディップといった微少な形状ではなく、それらを包括的に考えた大局的な形状が大きな手がかりとなっていることを知覚実験により明らかにしました。

 また、これらの知見を工学的に応用し、ヘッドフォンや、逆に100以上と極めて多くのスピーカを用いた多チャネル音空間提示システム(3次元聴覚ディスプレイ)の高度化を進めています。一方で、音空間情報提示と共に重要な3次元音空間高精度収音・再生技術にも注力しており、球状の252チャネルマイクロフォンアレイを用いた独自技術SENZI(Symmetrical object with ENchansed ZIllion microphones)のシステム開発を進めています。更に、3次元聴覚ディスプレイと立体映像提示システムとを組み合わせた、可搬型3次元視聴覚情報提示システムの研究も進めています。

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