ナノフォトエレクトロニクス研究分野 | 教授 | 上原 洋一 |
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ナノ光分子エレクトロニクス研究分野 | 准教授 | 片野 諭 |
図2 電子トンネリングによる単一分子からのSTM発光と振動励起
振動分光法は固体物性評価に極めて有用ですがその空間分解能は光の回折限界で制限され、ナノスケールの構造解析に適用できる方法がほとんど存在しないのが現状です。近年、我々のグループでは、振動励起に伴う微細構造がSTM発光スペクトルに重畳されることを見出し、探針直下に存在するナノ構造体の振動分光がSTM発光を利用して可能になることを提案しました(応用物理80(2011)960.)。このようなSTM発光振動分光法を通して、単一分子内の官能基検出および吸着構造を高い空間分解能で明らかにすることできると期待されます。我々は、これまでに金属表面に吸着した単一分子の同定(図2)、および金属微粒子間のナノギャップに存在するアルカンチオール分子の検出に成功することができました。現在、このような単一分子検出技術とSTMの有する分子マニピュレーション技術を融合して、単一分子を能動的なエレクトロニクス素子として利用する分子デバイスの研究開発に取り組んでいます。