巻頭特集/将来の大学間協定を見据えた東北大学電気通信研究所

本プロジェクトの概要

図1 RIEC-RLEプロジェクトの実施体制

図1 RIEC-RLEプロジェクトの実施体制

 MITのRLE(Research Laboratory of Electronics)は電子工学の分野で世界的に知られた研究機関であり、その研究対象は原子物理学から回路・システム・通信工学、ナノテク、バイオエンジニアリングまで幅広い分野に及んでいます。中でも光の分野は、学内の電気系、物理系の学科、Lincoln Laboratory などとの連携、更には積極的な産学官連携を通じて、多数の大型プロジェクトを推進しています。

 通研(RIEC:Research Institute of Electrical Communication)は、光通信発祥の地と呼ばれるように、レーザ、ファイバ、最近では世界的なイノベーションを起こした垂直磁気記録の分野など、数々のイノベーションを創出してきた実績があります。また、通研と大学院研究科の電気系との連携体制は「電気・情報・通信の高い総合力を有する組織」として多くの人が認めるところです。このように、RIEC、RLE ともに、対象とする研究領域が近く、組織の規模も同じくらいであり、両組織の連携は極めてマッチングの取れたものであると言えるでしょう。

 そこで本プロジェクトでは、超高速光通信、光標準・高精度計測、光集積デバイス、ミリ波・テラヘルツ波、量子情報の5つのテーマを軸としてフォトニクスに関する国際的な共同研究体制を形成し、両拠点におけるこの分野の研究の活性化を目指しています。その実施体制を図1に示します。本学の光分野の研究室数は、通研、工学研究科、理学研究科、金属材料研究所、多元物質科学研究所など30近くに及び、全部局の光関係の研究者が参加する「東北大学光科学技術フォーラム」を5年前から毎年開催しています。このフォーラムをもとに、本プログラムでは部局を越えて大学全体の光分野へと研究連携を拡張し、通研ならびに東北大学の技術力の高さと先導性を世界へアピールしていきたいと考えています。

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