巻頭特集/将来の大学間協定を見据えた東北大学電気通信研究所

RIEC-RLE 間の研究交流

図2 MITにおけるRIEC-RLE全体ミーティング(2011.10.20~21)

図2 MITにおけるRIEC-RLE全体ミーティング(2011.10.20~21)

 このような取り組みをもとにして、平成22年度から5年間の研究交流計画をスタートさせました。通研からは中沢、枝松、尾辻、八坂の各教授、工学研究科から山田教授の計5名を推進メンバーとして、当初は2011年3月末にRLEを訪問し、技術交流をスタートさせる予定でした。しかしながら、3.11の東日本大震災による被災のため渡航の延期を余儀なくされ、半年遅れの2011年10月20~21日にRLEを訪問しました。本プログラムの全体説明から始め、各研究室のアクティビティを紹介するとともに、MITの研究者との間で共通するテーマに関して個別に共同研究の方向性を議論しました。その様子を図2に示します。RLEからは14名の教授や若手研究者が参加し、個別のテーマについて活発な議論と意見交換が繰り広げられました。さらに、RLEのラボツアーも行われ、充実した研究環境と研究内容のすばらしさを目のあたりにすることが出来ました。

図3 2nd RIEC-RLE Meeting on Research Collaboration in Photonicsにて

図3 2nd RIEC-RLE Meeting on Research Collaboration in Photonicsにて

図4 Erich Ippen教授の講演

図4 Erich Ippen教授の講演

 相互の交流を深め研究協力をさらに推進するために、本年度は2013年1月21、22の両日、RLEの教授陣7名が来日し、第2回RIEC-RLE研究交流会を開催しました。その様子を図3および図4に示します。RLEからは、Erich Ippen(超短パルスレーザ)、Qing Hu(テラヘルツ量子カスケードレーザ)、Seth Lloyd(量子コンピューティング)、Ngai Chuen Wong(量子光学)、Michael Watts(シリコンフォトニクス)、Steven Johnson(フォトニック結晶)、Dirk Englund(フォトニック結晶)の各先生方が最先端の講演を行いました。東北大側からは、中沢は最近取り組んでいる光通信技術、尾辻教授はグラフェンによるテラヘルツレーザ、八坂教授ならびに山田教授からは最先端光半導体デバイス技術、枝松教授は最近の不確定性原理への取り組み、上原教授は材料のナノ領域表面物性について講演しました。さらに光科学技術フォーラムのメンバーである金属材料研究所の松岡教授は光通信用InN半導体材料、工学研究科の羽根教授はMEMS光スイッチについて講演しました。シンポジウムの参加者は約100名にのぼりました。また通研のラボツアー(図5)を実施しましが、MITの先生方からは恵まれた環境で優れた研究をしているとの感想がありました。シンポジウムには伊藤理事、最終日の懇親会には里見総長、青木副学長も出席し(図6)、大学間交流を視野に入れた本学の取り組みについて議論が交わされました。この打ち合わせは、両拠点の共同研究の促進と交流活動の更なる推進に向け、RIEC、RLE双方にとって大変有意義な機会となりました。また2日目には、東日本大震災で津波の被害を受けた仙台市、名取市沿岸部を視察しました。1階が津波に浸かりながらも難を逃れ、その家を復旧させた農家の家族の話を聞くなど、MITの研究者はその状況を目のあたりにして、大変驚いていました。昨年ハリケーンサンディにより米東部に甚大な被害がもたらされたこともあり、災害に強い社会の構築に向けた強い意志を共有することができました。

図5 RIECラボツアー

図5 RIECラボツアー

図6 里見総長ならびにMIT教授陣を囲んで

図6 里見総長ならびにMIT教授陣を囲んで

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