巻頭特集1-3/片平キャンパスに建築される通研新棟

 現在の通研2号館の北側に通研の新棟を建築するための工事が始まりました。図はその新棟の外観の予想図です。

 当初は青葉山の新キャンパスに約26,000平米規模で2011年春完成の予定でした。しかし数次にわたって延期、未着工のまま東日本大震災を迎えたのです。本学も大きな被害を受けたことから、通研の青葉山移転を取りやめ現キャンパスに新棟を建設するとの方針が決定されました。通研では教授会で議論を重ね、「100年後までも電気情報通信分野の研究をリードし、世界トップレベルの研究・教育を展開できる機能と環境を実現する」とのコンセプトをまとめました。昨年、新棟建設の予算が認められ、今回の着工を迎えたものです。

 新棟は地下1階地上5階一部6階で13,000平米の規模で、低振動実験室、電波暗室、シールド室、無響室等の特殊実験群を備えます。また、開かれた交流を可能とするスペースや広いセミナー室、会議室群なども配置されます。

 東日本大震災の経験を踏まえ免震構造を備えます。ただし、片平キャンパスは振動レベルが大変低いことから、地下1階に設ける低振動実験室は免震構造の外に置くことにしました。また免震構造も、粘性の高いダンパを配置して共振(Q)を大幅に低減する特殊な構造を採用します。

 当初の計画からほぼ20年。来年の夏にはいよいよ通研の新棟が実現します。また現在、現2号館の改築を行うべく概算要求を行っています。これらにより、世界最先端の電子情報通信分野の研究を今後一層推進する環境が大きく強化されていくと強く期待しています。
(鈴木 陽一、通研新棟建設検討委員会)

通研新棟
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