電気通信研究所本館の竣工

通研本館の外観図

通研本館の外観図

 RIEC News 第8号(2013年7月)で、通研の20年来の懸案であった新棟の建設が片平キャンパスにおいて進行中であることをご報告いたしました。その通研新棟がこのほど平成26年11月末に竣工・引き渡しとなり、今後は通研の主たる建物としてふさわしい「電気通信研究所本館」(以下では通研本館と略称)と呼称することとなりました。

 通研本館は、「今後100年後までも電気情報通信分野の研究をリードし続け、世界トップレベルの研究・教育を展開できる機能と環境を実現すること」を基本コンセプトに掲げて、設計・建設を進めて参りました。震災後の建設資材・人材不足の影響により当初予定より4 ヶ月ほど工期が延長されたことを除けば概ね順調に建設工事が進捗し、この度の竣工を迎えました。通研本館の建物は、地下1階地上5階一部6階、延べ床面積13,513平米で、片平キャンパスでも屈指の規模を誇ります。地上部は多層型粘性ダンパーを備えた免震構造を有し、地震に強くかつ平常時の振動レベルも極力抑えた設計です。内部には電波暗室、シールド室、無響室、低振動実験室等の特殊実験室を配置するなど、通研のコンセプトである「人間性豊かなコミュニケーションの実現」のための最先端の研究環境を実現しています。入口付近には、広い吹き抜けの交流スペースとオープンセミナー室、資料展示室等を配置し、所内外の活発な交流を図ります。6階には大中小の会議室を配置し、各階のセミナー室を含めて、多様なシンポジウム、ワークショップの開催が可能なスペースを構成しています。通研での大学院講義も本館にて行う予定です。また、2階には事務・管理部門が、2~5階に16研究室と一般実験室等が入居し、従来にも増して活発な研究教育活動を進めて参ります。

通研本館

通研本館

 また、通研では、本館に続いて現2号館の改築についての概算要求も引き続き行っており、今回は本館に入居しない研究室、図書室、研究基盤技術センター評価部および工作部等の施設の移転を計画しています。このように、通研本館の完成を契機に、今後その研究教育環境は大きく変容することとなりますが、教職員、学生一丸となって世界最先端の研究開発を推進する通研の伝統に変わりはありません。RIEC News読者の皆様におかれましては、引き続き通研へのご支援を賜りますようよろしくお願い致します。

通研本館の機能配置図

通研本館の機能配置図

断面図と免震構造

通研本館の機能配置図

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