研究内容

ナノ・バイオ融合分子デバイス

具体的な研究テーマとして、ナノテクノロジー・微細加工を活用した人工細胞膜デバイスの作製を行っています。
このデバイスを用いて、候補薬物の副作用を迅速に検出できるセンサを作り、将来のテーラーメード医療へ役立てたいと考えています。
また、人工細胞膜を用いた応用研究として、外部からの光に応答する全く新しいナノバイオハイブリッドデバイスの創成にも取り組んでいます。
さらには、神経細胞を基板の上に並べて神経回路を構築し、その機能を調べることによって、脳の情報処理の仕組みに迫ろうという研究も進めています。

候補薬物の副作用センシングとテーラーメード医療への展開

バイオ素子の持つ優れた物質認識能/情報変換能をナノテクノロジーと融合することにより、新しい医用デバイスを生み出すことができます。例えば、人工的に細胞膜構造を構築し、その中にイオンチャネルタンパク質を埋め込むことにより、極限まで規定された環境下でイオンチャネルの機能を調べたり、新薬候補化合物などの高感度な迅速検出法の開発が可能になります。

候補薬物の副作用センシングとテーラーメード医療への展開

光反応ナノバイオデバイスの創成

細胞の周りを包んでいる細胞膜は、極めて絶縁性が高くまた流動性も高いという面白い性質を持っています。また脂質分子の自己集合により簡単にチップ上に再構成することができます。 私たちは細胞膜のこの様な特徴に着目し、人工細胞膜の中にイオンや電子の通り道(ナノチャネル)を創成しています。イオンチャネルや金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子等を埋め込むことで、人工細胞膜中にイオンや電子が縦横方向に通過できるナノチャネルを形成し、水溶液中で動作する高感度な化学・物理センサを構築します。

光反応ナノバイオデバイスの創成

培養神経細胞回路網の構築

微細な半導体デバイスを作るために開発された技術を応用すると、脳の機能素子である神経細胞(ニューロン)がガラスチップ上に接着する位置や、神経突起を伸ばす方向を厳密に制御することができます。さらにレーザーを使った加工技術を組み合わせると、細胞を育てながらその間を配線することができます。 私たちはこのような基板加工技術を集結して、生きた神経細胞を原理的素子として脳のモデルを作り上げようとしています。作り上げた神経細胞ネットワークの機能を計測するための最先端の実験装置も揃っています。また、神経回路の動作原理を理論シミュレーションで調べる研究も行っています。

培養神経細胞回路網の構築

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