TECHNICAL SEMINAR技術セミナー
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技術セミナー1
CMOSイメージセンサの感度・ダイナミックレンジ・撮影速度・光波長帯域性能の追究
東北大学 大学院工学研究科
教授 須川 成利
東北大学半導体テクノロジー共創体の活動の一環として、我が国の強みである半導体製造装置・部素材技術およびイメージセンサ技術の一層の競争力強化に向けた開発研究を推進している。本講演では、その中から、感度、ダイナミックレンジ、撮影速度、光波長帯域といった基本性能をすべて物理限界レベルの極限まで高めることを目指したイメージセンサ技術開発研究の取り組みについて報告する。

技術セミナー2
ライフサイエンスデータ解析に向けたコンピュテーショナル・ストレージ
東北大学 電気通信研究所
教授 田中 陽一郎
脳神経構造解析などのライフサイエンス分野ではデータセットが大容量化する傾向にあり、データストレージから解析プロセスまでのデータ転送遅延の対策が課題となっている。本講演では、大容量ストレージとコンピュテーション機能の近接化を図ったコンピュテーショナル・ストレージシステムについて解説する。

技術セミナー3
シリコン光集積回路を用いた量子計算
東北大学 大学院工学研究科
准教授 松田 信幸
量子計算機は従来と異なる原理で動作する次世代の計算機である。その数ある実現方法の中で、光の量子である光子を用いた方式は、比較的少ないリソースで高速な計算を可能にすることから注目されている。近年、シリコンをベースとする光の集積回路を用い、光量子計算機をチップ上へ集積化する研究が活発化している。本セミナーでは、光集積回路を用いた量子計算の手法について紹介し、課題と展望を述べる。

技術セミナー4
Beyond 5G, 6G に向けたグラフェンTHzデバイスの研究動向
東北大学 電気通信研究所
教授 尾辻 泰一
商用サービスが開始された高速無線通信:5Gに続く技術開発ロードマップには、2030年に次世代6G、2040年に次々世代7Gがそれぞれ位置づけられており、いよいよテラヘルツ (THz) 周波数帯がメインストリームとなる時代が到来する。本セミナーでは、新材料として注目される炭素原子の単層材料:グラフェンを能動領域に導入したTHz機能デバイスを対象として、最先端研究開発動向および将来展望について述べる。

INFORMATION
通研公開の紹介
東北大学 電気通信研究所
准教授 片野 諭
10/9(土)にオンラインで開催される電気通信研究所のオープンキャンパス【通研公開】についてご紹介します。
通研公開の詳細はこちらをクリック
11:55→13:00 休憩時間
SEMINAR講演会

講演会挨拶
東北大学
理事(産学連携担当) 植田 拓郎

講演1 「官」
半導体・デジタル産業戦略について
経済産業省 情報産業課
情報産業課長 西川 和見 氏
コロナ禍において全世界で加速するデジタル化、脱炭素化、経済安全保障のトレンドの中で、半導体や5Gやデータセンターなどのデジタルインフラ、クラウドをはじめとするデジタル産業の重要性が一層高まっている。その苛烈な国際競争に勝ち抜くために、わが国の半導体・デジタル産業の現状を踏まえ、官民は今後どのような方向に進むべきなのかについて語る。

講演2 「産」
限界打破のイノベーション ーIOWN構想についてー
日本電信電話株式会社
常務執行役員 研究企画部門長 川添 雄彦 氏
新型コロナウイルス対応によるデジタル化・5Gなどの新たな情報通信技術の進展に伴い、いままで以上に強力な情報処理基盤が必要となる。現在の情報処理基盤では、いずれ処理能力の限界を迎え、エネルギー消費の問題も避けられない。 そこで情報処理基盤の至る所に光技術を適用することで、高速化、広帯域化、低消費電力化を実現し、情報処理基盤の革新をめざすIOWN構想を打ち出した。本講演では、IOWN構想とその切り拓く世界について紹介する。
14:45→15:00 休憩時間

講演3 「学」
世界の半導体産業戦略動向と東北大学・ CIES での取組
東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター・大学院工学研究科
センター長・教授 遠藤 哲郎
エレクトロニクス産業・自動車産業等のメガトレンドに基づき、世界で進んでいる半導体産業戦略動向を俯瞰すると共に、東北大学・国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)での取り組みを紹介し、今後の半導体技術の在り方について議論する。

閉会挨拶
東北大学 大学院工学研究科
教授 伊藤 彰則
TECHNICAL SEMINAR技術セミナー <オンデマンド講演>(一部を一般公開しています)
1. 光ネットワークを支える波長選択スイッチング技術
NTTデバイスイノベーションセンタ 主任研究員 妹尾 和則 氏

現在の光通信では、波長ごとに異なる信号を乗せて光ファイバに多重するして伝送する「波長多重伝送方式」が一般的になっているが、この方式では各波長の光信号を柔軟に個別制御できる波長選択スイッチング技術が重要である。 NTTではSPOC(Spatial and Planar Optical Circuit)と呼ばれる独自のスイッチング技術の開発によって、光ネットワークのさらなる大容量化を実現したので紹介する。
2. AI・ビッグデータ応用を加速するカスタムスーパーコンピューティングの現状・展望
東北大学 大学院情報科学研究科 教授 張山 昌論

AI、ビッグデータ解析、大規模シミュレーションなど膨大な計算能力を必要とする応用が重要となってきている。このような応用を支える計算プラットフォームとしてCPUやGPUを用いた並列計算システムが用いられているが、消費エネルギーが大きいという問題が顕在化している。本講演では,応用に応じてプログラムにより回路構造を変更できるFPGAデバイスを用いてエネルギー効率が高くかつ高速なスーパーコンピューティングシステムを構築する事例を紹介する。
3. 量子コンピュータ時代のセキュア情報システム
東北大学 電気通信研究所 教授 本間 尚文

現在開発がすすむ汎用量子コンピュータによって従来の暗号技術が危殆化することが指摘されている。耐量子計算機性暗号は、量子コンピュータを用いても解読困難な数学的問題に立脚した暗号であり、現在米国標準技術研究所で標準化がすすめられるなど世界的に注目が集まっている。本セミナーでは、現在JST CRESTプロジェクトで取り組む研究開発を中心に耐量子計算機性のセキュア情報処理技術を解説する。
4. 再エネ導入時の電力需給調整に有効な電力・水素複合エネルギー貯蔵
東北大学 大学院工学研究科 教授 津田 理

2050年のカーボンニュートラルを実現するには、再生可能エネルギー(再エネ)を主力電源として導入拡大していく必要があるが、再エネ電源は発電出力の変動が大きく、電力の需給調整が大きな課題となる。本セミナーでは、今後の再エネ導入拡大時の電力需給調整だけでなく、瞬低補償や、災害時の高品質電力の長期安定供給を可能にする大容量非常用電源としても有効な電力・水素複合エネルギー貯蔵システムについて紹介する。
5. スピントロニクス素子の確率動作を利用した疑似量子コンピューティング
東北大学 電気通信研究所 教授 深見 俊輔

熱揺らぎによる確率的な挙動を積極利用するスピントロニクス素子を用いることで、量子ビット(Qビット)と類似した機能を有する確率ビット(Pビット)を実現できる。本講演では、新たに開発したスピントロニクス素子からなる確率ビットを用いて行った疑似量子コンピューティング(確率論的コンピューティング)の原理実証、及びその要素技術に関する最近の成果を紹介する。
6. 量子アニーリングを操る新時代の人材育成
東北大学 大学院情報科学研究科 教授 大関 真之

量子アニーリングは、近年進展めざましい量子コンピューティング技術もなかでも早期に実用化され、多くの利用者が産業応用に向けて日夜研究開発に従事している。
本講演では、その技術の概要と可能性、そして東北大学で進む技術開発のみならず、東北大学で開催された無料公開イベントで参加者自らが生み出した数多くの応用事例について紹介する。
7. 言語で説明できるAIへの道のり
東北大学 大学院情報科学研究科 教授 乾 健太郎

深層学習の発展によってAI技術は長足の進歩を遂げたが、深層学習で得られる深層ニューラルネットはいわゆるブラックボックスであり、判断の解釈や説明が難しい点が大きな課題である。本講演では、自らの判断についてその過程や理由を自然言語で説明できるAIの実現を目指す我々の取り組みを研究動向とともに紹介し、今後の展望を論じる。
8. 固体中量子スピン中心の新しい材料探索手法と今後のスピン中心量子ビットの展開
東北大学 電気通信研究所 助教 金井 駿

本講演では、固体中スピン中心の量子ビット応用探索の手法の最新の進展を紹介する。特に、ここ15年で可能になった固体中スピン中心の量子コヒーレンス時間の計算予測と、昨年度明らかになった大規模計算を用いないコヒーレンス時間予測、及びその新奇量子ビット材料探索への応用について紹介し、今後のスピントロニクス量子ビットの展開について講演する。
9. 低環境負荷物質によるBeyond 5Gの構築に向けて
東北大学 電気通信研究所 准教授 吹留 博一

次世代移動通信システムBeyond 5Gは、SDGs達成を下支えするSociety 5.0にとって基盤インフラとなるものである。ゆえに、Beyond 5Gは、低環境負荷物質によって構築される必要がある。本講演では、我々が取り組んでいる、グラフェンなどの低環境負荷物質を用いたBeyond 5Gデバイスの産官学連携研究開発を紹介する。
10. 赤外光を用いた非侵襲ヘルスケアモニタリング
東北大学 大学院工学研究科 教授 松浦 祐司

波長3~12ミクロンの中赤外光と呼ばれる領域には、生体組織の構成分子による吸収スペクトル(いわゆる「指紋スペクトル」)が現れる。これを近年開発が進んでいる中赤外半導体レーザなどを用いて測定すれば、たとえば血糖値や血中コレステロール値を非侵襲で測定することが可能となる。本報告では、これらの測定原理や測定システムの開発現況、問題点や将来に必要となる技術などについて述べる。
11. プラズマを使って空気のみで合成する窒素化合物の新応用技術
東北大学 大学院工学研究科 教授 金子 俊郎

消費電力が数10Wの大気圧プラズマを用いて、無尽蔵資源である空気のみで所望の窒素化合物、特にプラズマ以外で安全に合成することが難しい「五酸化二窒素」をその場で容易に合成する技術を開発した。講演では、医療、農業、環境衛生分野での新しい応用が期待される「五酸化二窒素」の合成手法と応用展開・産業開発の現状について紹介する。
12. ニューノーマル時代のインタラクティブ技術
東北大学 電気通信研究所 教授 北村 喜文

オンラインで会議等に参加する機会が増えた。この流れは、SDGsの観点からも、今後益々進むだろう。一方で、参加者間でコミュニケーションがうまくとれずに分かり合えないことや、仕事の効率が落ちる等の報告も多い。この原因の重要な1つは、非言語情報が伝わり難いことにあると言われている。今後は、幅広い非言語情報の機微を適切に伝送することによって、豊かなコミュニケーションを実現することが期待されている。この目的のため、非言語情報について、私の研究グループで進めている/進めようとしているインタラクティブ技術の研究について紹介する。
13. 高周波プラズマの宇宙・地上産業応用
東北大学 大学院工学研究科 准教授 高橋 和貴

高周波プラズマ源と磁気ノズルを用いた、宇宙エンジンの一種である無電極プラズマスラスタに関して紹介する。また宇宙推進機開発ではコンポーネントの小型化や軽量化も必要であり、周辺機器も含めた総合的な開発が必要である。一方で、現在開発が進められている小型半導体ファブ構想であるミニマルファブでも、プラズマエッチングやスパッタリング向けの小型プラズマ源の開発と高性能化が求められており、ミニマルファブ対応のプラズマプロセス装置の開発状況についても報告する。
14. 動物の生き生きとした振る舞いを生み出す制御のからくりを探る
東北大学 電気通信研究所 教授 石黒 章夫

生物は、進化という壮大な試行錯誤の場を通して、優れた機能や構造、能力を獲得してきた。これらの中には、未だわれわれが知り得ぬ非自明なからくりが内在しているに違いない。本講演では、「制御」という視座から動物が示す生き生きとした振る舞いを生み出すからくり(制御原理)を考えてみたいと思う。そのために、身近な動物であるイヌやウマなどの四脚動物が四本の脚の協調の仕方を状況依存的に巧みに変化させる現象に着目したわれわれの事例研究を紹介する。
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- 産学官フォーラム2021 これからの半導体・デジタル産業戦略を考える
- 産学官フォーラム2020 「新たな日常」を豊かにする 電気情報技術
- 東京フォーラム2019 Society5.0を支えるIoT技術
- 仙台フォーラム2018 安全・安心なIoT社会を実現するセキュリティ技術
- 東京フォーラム2017 イノベーションを生む新たな産学官連携
- 仙台フォーラム2016 人間社会と人工知能
- 東京フォーラム2015 超スマート社会
- 仙台フォーラム2014 情報通信が拓く社会インフラの未来像
- 東京フォーラム2013 復興から新生へ ~ 情報通信の未来像 ~
- 仙台フォーラム2012 情報通信と人間社会
- 東京フォーラム2011 情報通信による創造的復興に向けて
- 仙台フォーラム2010 グリーンエネルギー時代を拓く技術革新
- 東京フォーラム2009 脳の科学と情報通信
- 仙台フォーラム2008 大容量通信時代におけるIT技術革新
- 東京フォーラム2007 ユニバーサルコミュニケーション時代を拓く研究最前線
- 仙台フォーラム2006 技術革新と社会へのインパクト
- 東京フォーラム2005 ビジネスソリューション創出への最新研究セッション
- 産学官フォーラム2004 東北大学電気系・情報系における研究の現状
- 産学官フォーラム2003 次世代を担う人材像
- 産学官フォーラム2002 新産業構造への転換
- 産学官フォーラム2021 これからの半導体・デジタル産業戦略を考える