大堀 淳
Atsushi Ohori
システム・ソフトウェア研究部門 教授
Systems & Software Division, Professor

2022.3 退職

平成17年4月にソフトウェア構成研究分野の教授に着任し、令和4年3月定年を迎えました。この通研での17年間は、それ以前に所属した沖電気工業(株)、グラスゴー大学、京都大学、北陸先端科学技術大学院大学での研究生活と勝るとも劣らぬ、とても楽しく充実した期間でした。
 専門分野はペンシルバニア大学でのPh.D.研究以来続けてきたプログラミング言語の基礎理論でしたが、基礎研究以外に、実用を目指したプログラミング言語SML#を開発するプロジェクトを、着任時から定年退職にいたるまでの17年間実施し、2007年のアルファ版から2022年の4.00版まで、オープンソースソフトウェアとしてリリースすることができました。
 これらの専門分野の研究教育に加え、2013年9月から2021年5月まで、通研の先生方と共に「時間サロン」と称する勉強会を70回以上におよび実施し、人間の認識の原理から情報の意味にいたる哲学・認知科学・計算機科学に跨る種々の問題を考え、書籍を読み、討論する日々を送りました。その思索内容は東北大学電気情報系の最終講義として発表させて頂きました。そのビデオをYouTubeの「大堀淳の計算機科学チャネル」で配信しています。
 SML#を完成でき、また尊敬する仲間と共に「時間サロン」を実施できたことは、私の大学生活での最大の喜びです。そのようなことを可能にしてくれた通研に所属できたことを誇りに思い、同僚の教員の皆様、事務部門・図書室の皆様に心より感謝申し上げます。

「伝統ある優れた研究機関は、構成員を育み新たな概念を生み出す力を持つ」、これが、東北大学にゆかりもなかった私が着任して感じた、通研の印象です。今もそう思い、通研・RIECが発展し続けることを確信しております。

Twitter https://twitter.com/AtsushiOhori 

GitHub https://atsushiohori.github.io/ja/
大堀淳の計算機科学チャネル 
https://www.youtube.com/channel/UCR9mNLM_Efklu17oPZqcypA