誘電ナノデバイス研究分野 | 教授 | 長 康雄 |
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助教 | 平永 良臣 | |
助教 | 山末 耕平 |
図1 微細化が進むフラッシュメモリ中の蓄積電荷の可視化
超音波や光及び半導体強誘電メモリ(Fe-RAM)等に多用され、近年その発展がめざましい強誘電体単結晶や薄膜の分極分布や様々な結晶の局所的異方性が高速かつ高分解能に観測できる走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)を開発しています。この顕微鏡は非線形誘電率の分布計測を通して、強誘電体の残留分極分布の計測や結晶性の評価が焦電現象や圧電現象、電気光学現象などを用いずに純電気的に行える世界で初めての装置であり、既に実用化もされています。
SNDMは10-22Fという想像もできないくらい微小な静電容量の変化を計測できるという特長を有していますので、誘電体のみならず種々の材料表面の微小な静電容量変化の分布を高感度に検出可能であります。この特長を生かし、近年極限的にまで高集積化・微細化が進む半導体デバイスの評価、特にフラッシュメモリ中の蓄積電荷の可視化や(図1)、超微細LSI中のトランジスタのドーパントプロファイルの計測などにもSNDMは大きな威力を発揮しています。