本研究室は、教授 大野英男、助教 山ノ内路彦、事務補佐員1名、博士後期課程3名、博士前期課程4名、学部4年生3名、研究留学生2名の合計15名で構成され、ナノ・スピン実験施設ナノスピンメモリ研究室、原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)、省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター(CSIS)と協力し、スピントロニクスに関する研究開発に取り組んでいます。
電荷とスピンの両方の性質を利用するスピントロニクスは、半導体を用いた半導体スピントロニクスと金属磁性体をベースとした金属スピントロニクスとに大別されます。半導体スピントロニクスにおいては磁石の性質を示す半導体(強磁性半導体)を対象に活発な研究が進展していますし、非磁性半導体中の様々なスピンの性質を調べ制御する研究も盛んです。金属スピントロニクスでは、強磁性体/非磁性体積層構造において、強磁性体の磁化配列に依存した大きな電気抵抗の変化を中心に、不揮発性メモリ応用が盛んに研究されています。本稿では、将来の基盤技術をめざす半導体スピントロニクスと産業化へのシナリオが明確である金属スピントロニクスに関する私たちの研究内容について概説します。
芋煮会(2012年)