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講演会「光励起脱離質量分析装置の開発と応用」

日時:2008年10月31日(金)14:00~15:00
題目:「光励起脱離質量分析装置の開発と応用」
講師:宮崎大学名誉教授 ( ㈱NTP代表取締役) 佐々木  亘 氏
場所:電気通信研究所2号館4階  中会議室


講演会開催のお知らせ

東北大学電気通信研究所
上原 洋一

下記のように講演会を開催いたしますので、多数ご参加下さいますようご案内申し上げます。

講師の佐々木 亘先生のご専門は真空紫外域から極短紫外域の短波長光源の研究・開発であり、宮崎大学在職中にはその成果を社会に還元すべくベンチャー企業NTPを興されました。退官後もNTPの代表取締役として引き続き研究開発に携わっておられ、現在は経済産業省の支援の元に光励起脱離質量分析装置の開発プロジェクトリーダーを務められております。本講演ではその成果についてお話頂きます。

  • 日時:2008年10月31日(金)14:00~15:00
  • 場所:東北大学電気通信研究所2号館4階中会議室
  • 題目:「光励起脱離質量分析装置の開発と応用」
  • 講師:宮崎大学名誉教授 ( ㈱NTP代表取締役) 佐々木 亘 氏
  • 講演要旨:本公演では光励起脱離質量分析装置の開発の現状と応用例について講演する。紫外から極短紫外域の比較的高い光子エネルギーをもつ光を固体表面に照射すると様々な表面吸着種が脱離する。本装置はこの現象を利用したものであり、試料表面に照射する光の波長の関数として表面脱離種を質量分析計で計測する。120 nmから350 nmの波長範囲で走査可能な光源を装備した試作機を作製し、実験を行ってきた。その結果、従来の熱脱離質量分光法に比較して以下のような特長を有することが分かってきた。
    1. 照射光の波長と脱離量の関係を示す光励起脱離スペクトルから脱離種の吸着エネルギーの決定が可能
    2. 極端紫外光の固体進入長は非常に小さく、表面敏感な観測が可能
    3. 有機物など熱的に弱い試料基板表面に吸着した種への適用が可能
    4. 計測時の試料本体の損傷の心配が全くと言っていいほどない