概要
この度、ご推薦をいただいた候補者から、厳正な審査に基づき、令和4年度の受賞者として下記の4名を受賞者と決定いたしました。
授賞式は、東北大学電気通信研究所 情報通信共同研究拠点 令和4年度 共同プロジェクト研究発表会―新世代ICTの羅針盤~通研共同プロジェクトからのメッセージ~(令和5年2月16日(木))にて執り行われます。
RIEC Award 本賞
千葉 大地 氏
(大阪大学 産業科学研究所)
業績 | 「スピントロニクスによる力学量センシングの開拓」 |
授賞理由 | 千葉氏は、氏のそれまでの磁性の電気的制御に関する研究とは異なる研究分野に挑み、柔らかい基材上に形成したスピントロニクス素子を用いて、基材に加わるひずみを検出できることを示し、基材の変形の「方向」を単一素子で検出することに成功されました。スピンを使った新しい原理のひずみセンサを実現し、スピントロニクスとフレキシブルエレクトロニクスの長所を融合した学際研究の足掛かりとなる成果です。電気情報分野の様々な応用が期待でき、社会的貢献の意義は大きいと判断できます。これらにより、RIEC Award本賞にふさわしいものと認められました。 |
木寺 正平 氏
(電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
業績 | 「超広帯域電波センシングにおける超高精度画像解析法の研究」 |
授賞理由 | 木寺氏は、1/100 波長の超高精度画像化法、多重散乱波を用いた影領域画像化、レーダとトモグラフィの双方向処理による複素誘電率分布推定、等の多くの独創的かつ革新的な画像解析法を構築し、それらをマイクロ波乳癌診断、道路内部非破壊検査、ミリ波による人体識別センサ等の社会的に重要な課題に発展させてこられました。これらは社会的貢献の意義は大きいと判断でき、RIEC Award本賞にふさわしいものと認められました。 |
RIEC Award 東北大学学生賞
橋田 紘明 氏
(東北大学 大学院情報科学研究科 博士後期課程2年)
業績 | 「Intelligent Reflecting Surface を用いた動的電波伝搬路制御技術に関する研究」 |
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授賞理由 | 橋田氏は、第6世代移動通信システム(6G)を実現する重要な技術として進められているインテリジェントリフレクタIRSに関する研究で、変動する電波伝搬環境に適応してIRSの反射特性制御を行う通信制御方式を提案しました。これらは、局所的精度とシステム全体の高効率化の両立を目指す研究として高く評価されています。学会活動などでも積極的に貢献しており、将来性が期待されます。研究業績と発展性ともに非常に優れており、当該分野の進歩に大きく貢献していると高く評価され、RIEC Award東北大学学生賞にふさわしいものと認められました。 |
伊東 燦 氏
(日本電信電話株式会社)
業績 | 「暗号モジュールの安全性評価手法に関する研究」 |
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授賞理由 | 伊東氏は、暗号モジュールの動作時に現実的な脅威となるサイドチャネル攻撃への耐性を有する暗号モジュールの設計時と実装時の革新的な安全性評価手法を考案しました。これらは社会的要請の極めて高い問題を扱い、安全な暗号モジュールの普及と発展に大きく貢献するものとして高く評価されています。研究業績と発展性ともに非常に優れており、当該分野の進歩に大きく貢献していると高く評価され、RIEC Award東北大学学生賞にふさわしいものと認められました。 |
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