令和2年度(第10回)RIEC Award 受賞者

この度、ご推薦をいただいた候補者から、厳正な審査に基づき、令和2年度の受賞者として下記の5名を受賞者と決定いたしました。
授賞式は、東北大学 電気通信研究所-情報通信共同研究拠点-共同プロジェクト研究発表会(オンライン)2021年2月18日(木)にて執り行われました。

RIEC Award本賞

藤田 和上 氏(浜松ホトニクス株式会社))

業績

「二重上位準位量子カスケードレーザーとテラヘルツ光源に関する研究」

授賞理由

藤田氏は、テラヘルツ波帯域の光源として広く普及している量子カスケードレーザーにおいて、結合二重上位準位構造を考案し、従来の低周波数動作の限界を解決したサブテラヘルツ帯域での動作に成功して、室温で動作する高出力レーザーを実現されました。量子カスケードレーザーとテラヘルツ光源の研究開発で、独創的なアイデアで世界最高性能のデバイスを実現し、製品としての実用化により社会に貢献するとともに、学術的にも高い評価を受ける研究成果を多数あげられました。これらの研究成果の学術及び産業界に与えたインパクトは少なくなく、当該分野の発展に大きく貢献するものと高く評価され、RIEC Award本賞にふさわしいものと認められました。

亀岡 弘和 氏(日本電信電話(株)コミュニケーション科学基礎研究所)

業績

「音響信号の要素分解と情景分析」

授賞理由

亀岡氏は、様々な音源、言語情報や非言語情報に関するフレーズやアクセント成分などの要素が複雑に混在している日常生活の中の音響信号を対象に、その高精度な要素分解を可能にする各種の数理モデルおよびアルゴリズムを提案・実証してこられました。これらの研究成果は音響情報処理分野で高く評価され、さまざまな応用が期待されています。これらが当該分野に与えたインパクトは大きく、RIEC Award本賞にふさわしいものと認められました。

RIEC Award 東北大学研究者賞

黒田 理人 氏(東北大学大学院工学研究科)

業績

「広光波長帯域イメージセンサ技術の創出と高精度センシング応用」

授賞理由

黒田氏は、可視光に加えて紫外・近赤外光の広い波長域で高感度で、強い紫外光を長期間照射されても特性が劣化しない高い耐光性を有する優れたイメージセンサ技術を確立されました。さらにこれらを産学連携研究を通して実用化にもつなげられました。本成果の独創性及び卓越性の高さは顕著であり、今後のイメージセンシング工学分野を世界的に牽引することも大いに期待できます。よってRIEC Award東北大学研究者賞にふさわしいものと認められました。

RIEC Award 東北大学学生賞

Tiago(チアゴ) Koketsu(コウケツ) Rodrigues(ロドリゲス) 氏(東北大学大学院情報科学研究科)

業績

「モバイルエッジコンピューティングシステムにおける無線・計算資源の知的制御技術に関する貢献」

授賞理由

Rodrigues氏は、移動するIoTモバイル端末などの処理要求に対して限られた通信と計算機資源を効率的に分配する問題に対して、機械学習により、移動ユーザの通信品質とサーバの計算能力を両立できるモバイルエッジコンピューティングのサーバ制御の手法を、世界に先駆けて提案しました。現実世界に近い複雑なネットワーク環境において有用な成果であるものと期待され、国内外で認められた研究成果も数多くあります。これらはモバイルエッジコンピューティング技術の進歩に大きく貢献していると高く評価され、RIEC Award東北大学学生賞にふさわしいものと認められました。

守谷 哲 氏(東北大学電気通信研究所)

業績

「時空間神経ダイナミクスの数理モデリングと脳型計算への応用に関する研究」

授賞理由

守谷氏は、神経回路の構造を体外で再構成しその活動を計測する神経生理実験と、生理学的に妥当な細胞・ネットワークモデルを用いたシミュレーションを組み合わせる新しい独創的な試みにより、構成論的手法から脳型計算の仕組みを理解する課題に取り組まれました。そして、数理モデルの妥当性を示し、生体に見られるモジュール構造型神経回路の構造的特徴、時空間ダイナミクス、情報処理能力を明らかにしました。これらの成果は、未だに解明されていない生体脳機能の解明に果敢に挑戦する試みで、この分野の研究をリードする顕著な業績をあげていると高く評価されます。よって、RIEC Award東北大学学生賞にふさわしいものと認められました。

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