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仙台“プラズマフォーラム”(2010年6月7日(月))

研究会名:仙台“プラズマフォーラム”
開催日:2010年6月7日(月)16:30 ~ 18:30
開催場所:工学研究科 電気・情報系 103会議室
講師:ゴラネビス ゾーレ氏(電子工学専攻 畠山・金子研究室,博士3年)
題目:「単層カーボンナノチューブの非磁性触媒プラズマCVDによる構造制御合成と電子物性評価」


仙台”プラズマフォーラム”の御案内

東北大学 大学院工学研究科 電子工学専攻
畠山 力三
金子 俊郎

下記の通り,仙台“プラズマフォーラム”を開催いたしますので,是非御参集下さい.

  • 日時:2010年6月7日(月) 16:30~18:30
  • 会場:東北大学 大学院工学研究科 電気・情報系 103会議室
  • 題目:「単層カーボンナノチューブの非磁性触媒プラズマCVDによる構造制御合成と電子物性評価」
  • 講演者:ゴラネビス ゾーレ(電子工学専攻 畠山・金子研究室,博士3年)
  • 要旨: 優れた諸特性を有する単層カーボンナノチューブ (SWNTs) は幅広い分野においてその応用が期待されている炭素ナノ材料である. 直径, グラファイトシートの螺旋 度 (カイラリティ) 等のSWNTsの構造因子は物理特性に直結しているため, これらを精密に制御する技術の確立がSWNTsの応用には必要不可欠である. これまでSWNTsの 成長と構造制御は磁性金属触媒を利用し広く行われてきたが, 残留磁性金属触媒の影響によりSWNTs本来の磁気物性を実験的に明らかにすることが困難であり, SWNTsの 磁性分野への応用を妨げる要因となっていた. そこで近年, 非磁性金属触媒を利用したSWNTs成長が注目されつつあるが, 精密構造制御, 成長機構解明等, 解決すべき 問題も数多く残されているのが現状である. 本研究ではパラメータ制御性に優れたプラズマCVDを利用し, 非磁性金属触媒を利用したSWNTsの成長, 及び精密構造制御, さらに非磁性触媒から成長したSWNTsの電子物性評価を行った. その結果, プラズマCVDを用いて初めて非磁性金属触媒からのSWNTs成長に成功し, また, プラズマ条件 を最適化することにより, カイラリティばらつきの極めて狭いSWNTs合成に成功した. これまでカイラリティばらつきを抑制する研究は磁性金属触媒でのみ実現されて おり, 非磁性金属触媒を用いたこの様なカイラリティばらつきの抑制に成功した例は本研究が世界で初めての報告である. さらに, 磁性金属混入の無い非磁性金属触媒 から成長したSWNTsを用いて, SWNTs本来の磁気特性に関しても詳細な評価を行ったので合わせて報告する.

問い合わせ先

(助教)加藤  俊顕

TEL:022-795-7046