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第23回生体生命工学研究会

研究会名:第23回生体生命工学研究会
開催日:2010年12月21日(火)13:30~16:00
題目:「計算科学的アプローチによる遺伝子機能推定法の開発」
講師:木下賢吾 先生(東北大学大学院情報科学研究科・生命情報システム科学分野・教授)
開催場所:電子情報システム・応物系 1号館103号室


生体生命工学研究会のご案内

東北大学電気通信研究所 工学研究会分科会 生体・生命工学研究会
主査 塩入 諭
幹事 松宮 一道,片山 統裕

第23回生体生命工学研究会の開催を下記の要領で予定しておりますので,多数ご来聴くださいますよう,ご案内申し上げます.学外の方もご自由にご参加下さい.

  • 日時:2010年12月21日(火)15:30~16:00
  • 場所:電子情報システム・応物系 1号館103号室
  • 特別講演(13:30~14:30)
    タイトル:「計算科学的アプローチによる遺伝子機能推定法の開発」
    講師:木下賢吾 先生(東北大学大学院情報科学研究科・生命情報システム科学分野・教授)
    講演概要:1995年にインフルエンザゲノムが解析されて以来,数多くの生物種においてそのゲノム配列の解析が行われてきた.最近では個人のゲノムも次々と解読されている.ゲノム配列は遺伝子と調整領域から構成されているが,遺伝子部分が転写・翻訳されてタンパク質となり生体中での実際の機能を発揮する.そのため,遺伝子あるいはその遺伝子産物であるタンパク質の機能を知ることが,生物を分子レベルで理解する最初のステップとなる.しかし,ほとんどの生物種において全遺伝子の半数以上の機能が未だ明らかになっておらず,遺伝子の機能推定法の開発が重要な課題となっている.
    遺伝子の機能推定は,ゲノムがすべての生物情報を担っていると考えると,原理的には単体のゲノム配列を見るだけで予測できるべきであるが,実際には我々のゲノムに対する理解が十分でないため出来ていない.そこで実用的には,機能既知の遺伝子に対する類似性検索による機能推定が行われる.類似性検索としては,配列での類似性検索が最もよく知られているが,立体構造や遺伝子の発現パターンなど様々な見方に対する方法が存在する.立体構造ではどのような構造表現(原子の空間配置や分子表面や主鎖構造)を用いるかによって,似ている事の結果が意味する事が変わってくるが,分子機能の推定に適している.一方,発現パターンの類似性は,相互作用ネットワーク上に同時に存在するなどの弱い機能的な関連を検出するのに適している.本講演では,我々が開発を行ってきた「確率的アライメントによる配列の比較法」,「様々な立体構造表現に対するグラフ理論を利用した立体構造の比較法」及び「主成分解析を利用した遺伝子発現パターンの類似性の多次元化手法」の開発を中心に,それぞれの類似性がどのような機能的な類似性を意味するのかを,生物学的機能の階層性に着目しながら議論したい.また,今後ますます増加する生物情報に対して,生物情報学という観点で何が出来るのか,あるいは何をすべきなのかに関しても議論したい.
  • 一般講演(14:40~16:00 ,1件につき発表15分+質疑5分)「複素独立成分分析を用いた神経細胞活動弁別法の構築と性能評価」
    白石泰士 片山統裕 高所晃一 辛島彰洋 中尾光之
    東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻

    「物体配置における空間座標表現の無意識的獲得」
    土合大河 松宮一道 栗木一郎 塩入 諭
    東北大学大学院情報科学研究科/電気通信研究所

    「視覚探索における時空間配列の文脈手がかり効果に関する研究」
    蒋晨暁 松宮一道 栗木一郎 塩入 諭
    東北大学大学院情報科学研究科/電気通信研究所

    「両眼視差に基づく面の知覚特性の定量評価」
    笠井慎平 松宮一道 徳永留美 栗木一郎 塩入 諭
    東北大学大学院情報科学研究科/電気通信研究所

問い合わせ先

東北大学電気通信研究所

塩入研究室

松宮 一道

内線:5469(片平)

E-MAIL:kmatriec.tohoku.ac.jp