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東北大学・電気通信研究所附属21世紀情報通信研究開発センター,日本テレコム株式会社,宮城県は, 2GHz 帯を利用した世界最先端の広域ワイヤレスブロードバンドアクセス実験を拡張しました

東北大学・電気通信研究所附属21世紀情報通信研究開発センター,日本テレコム株式会社,宮城県は, 2GHz 帯を利用した世界最先端の広域ワイヤレスブロードバンドアクセス実験を拡張しました

車載された端末からの広域ワイヤレスブロードバンドアクセス実験
8月4日に行われた公開実験の模様: 移動するバスからのブロードバンドアクセス実験
8月4日に行われた公開実験の模様: プロジェクトリーダの坪内和夫教授による概要説明

2GHz帯を利用した世界最先端の広域ワイヤレスブロードバンドアクセス実験を拡張

東北大学・電気通信研究所附属21世紀情報通信研究開発センター,日本テレコム株式会社,宮城県は,2005年7月より広域ワイヤレスブロードバンドアクセス実験を実施してきましたが,2006年7月18日より基地局2局に対する実験局免許を追加取得し,世界最先端の拡大実験を実施することになりました.

今回の実証実験では,計3局の基地局により,仙台市中心部の広い範囲で自動車などにより移動しながら下りリンク最大3.2Mbit/sの高速通信が可能となります.

この共同実験は,JR仙台駅西側の東北大学電気通信研究所周辺において昨年7月から実施中(フェーズ1)ですが, この度新たに,本年7月18日に,宮城県庁及びJR仙台駅に隣接する日本テレコムの宮城センターの追加基地局2局について、 日本テレコムが総務省から2GHz帯周波数の実験局免許を取得しました.

これにより,昨年から実施中の東北大学電気通信研究所 IT-21センターの基地局と合わせて合計3局構成となり,仙台駅西側のビジネス街を広範囲にカバーする広域ワイヤレスブロード バンドアクセスの検証実験(フェーズ2)を行うものです.

本実験では,クアルコム社のフラッシュOFDM方式の無線システムが用いられ,広域でかつ高速なインターネット 接続の検証を3基地局セル間のハンドオーバー機能検証と合わせて実施します.

現在,駅,ホテル,ファーストフード店等で利用されている無線LANアクセス(IEEE802.11b/g/a)は、最大54Mbit/sと 高速ですが,基地局を中心としたカバーエリアが半径約100m程度と狭いスポット型のサービスとなっています.

一方,現在多く利用 されている携帯電話,PHSなどのデータ通信サービスは,広いサービスエリアを提供していますが実効速度が数百kbit/s程度に留まっています.

今回の実験に用いる無線アクセスシステムでは,無線LANと同様なPCカード型無線端末局を用いて,ダウンリンク伝送 速度が最大で3.2Mbit/sと高速通信が可能であり,かつ,見通し外通信が可能な広いサービスエリアをカバーすることができます.

また ,無線区間におけるパケット遅延が50ミリ秒以下と有線による通信に近いレスポンスタイムを提供できます.

現在,総務省を中心にブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)の新方式導入に向けて議論が行われておりますが, IEEE802.16e (モバイルWiMAX)やIEEE802.20等の新BWA無線方式に共通する性能が多く含まれている本方式を用いたフィールド実験を実施 することにより,周波数利用効率,及びハンドオーバー性能を実フィールドで検証実施することができるため,その得られた結果を新 BWA方式の課題解決へ提案を行っていく予定です.

本実験は,今後更にブロードバンド化を図った拡張実験も計画しています.また, 本実験はクアルコム・ジャパン社及び伊藤忠テクノサイエンス社の協力を得て実施しております.

東北大学IT-21センターは,文部科学省ITプログラム「次世代モバイルインターネット端末」の研究開発を行っており, オールIP化が進むワイヤレスネットワークに不可欠な技術として,1Gbit/sの超高速通信の実現と5mm角超小型通信端末の実現を目指して, 現在,研究開発を行っております.

そのステップの一つとして,これまでに次世代無線LAN規格であるIEEE802.11nへの標準化提案を行い, 2004年11月には,5GHz帯周波数を用いた次世代型超高速無線LAN装置の開発(最大伝送速度324Mbit/s)を発表しています.

東北大学は, 無線 LANサービス(IEE802.11b/g/a/n)とIEEE802.20標準化候補の一つである今回の実験ネットワークとを組み合わせて実証を積み重ねることで,包括協定締結先である宮城県産業技術総合センターをはじめ,地方自治体等との協力を得ながら,地域防災通信や行政ネットワークサービス等への適用可能性の検証や自動車,鉄道列車など移動車両への高速データ通信サービスへの適用可能性についての検証も順次行っていく予定です.

去る8月4日に,本実証実験の公開実験を行いました.報道関係者,通信業界関係者を対象に,実際に移動するバスの乗って頂き,ブロードバンドアクセスを体験して頂きました (写真参照).

詳細下記をご覧下さい.

お問合わせ先

東北大学電気通信研究所
ブロードバンド工学研究部門
先端ワイヤレス技術研究分野
(助手)亀田  卓
TEL: 022-217-5532
FAX: 022-217-5533